あたぴさんへ 〜余命について〜
あたぴさん、こんにちは。
コメント拝見させていただきました。
もう手術は終わられたのですね?
術後の経過はいかがでしょうか?
トリプルネガティブと聞いて、それがどういう乳がんなのか知るとやはり怖いですよね。
私もそうでした。
でも、術後5年がたった今でも私は無治療で生きています。
普通の人と変わらず仕事をしています。この年末は普通の人と変わらず、徹夜続きの生活も送っていました。(あんまり体にはよくないことなので、こちらはお勧めしませんが・・・)
今は年に2回定期検査を受けていますが、今のところ再発もしていません。
というと、たいていの人からは「早期発見でよかったですねー」と言われますが、浸潤がんでしたし、手術のときは腫瘍が3センチを超えていたので、全く早期の範囲ではありません。リンパ節転移も疑われていました。
ただ、リンパ節転移のきちんとした検査はしていませんので、定かではありませんが・・・。
日本人は几帳面なので、意外に物事を明確にしたい方も多いように思います。
そして、なにかしらかの「枠」に収めたがる気がします。
もちろん、自分の病状をきちんと把握することは決して悪いことでありません。むしろ大事なことです。
私は、治療当初は乳がんの知識が少なかったので、知識がついてきた後から、なぜリンパ節転移の有無をはじめに検査をしなかったのか疑問を感じたこともありました。でも、今になって思うと、「あのときにそれを知ってどうしたんだろう?」とも思うようになりました。
乳がん治療に関する知識が極めて少なかった私には、じゃあ、「リンパ節転移があります!」と言われたところで、何ができたのだうと考えると「ただ怖がるだけ」だったような気がします。もし明確に「転移がある」と言われていたら、悪いことばかりを考えて、治療に向かう気持も半減していたかもしれません。
本当は高い確率で転移はあったと思うのですが、そこを明確な検査をせず、あいまいなまま治療に向かわせてくださったおかげで、余計な恐怖を考えることもなく、私はかなり能天気な前向きな気持ちで治療に専念することができました。
これについても、今でも中村先生にはとても感謝しています。機械的に物事を処理していく医療ではなく、いろいろな状況を考慮した人間だからこそできる治療をしていただいたと思っています。知ってマイナスになるくらいで知らなくていいことは知らなくていいのです。
あたぴさんは、転移していると告げられたのですね。
主治医の先生があたぴさんにリンパ節転移を告げたのは、余命を知ってほしいからではなく、「だから、しっかり治療しましょうね」とおっしゃったのではないでしょうか?
余命を心配する気持もよくわかります。私などは、乳がんと聞かされたときに余命を先生に聞いてしまいました(無知でした・・・苦笑)。
リンパ節転移と聞くとやはり余命という、なんとなく世の中で言われて枠の中に収めがち。でも今日生まれた赤ちゃんも、これからは確実に余命を生きるのです。限られた命を生きるのが人間ですよね。人によって長い短いはありますが、皆おんなじ。動物も虫も植物も、です。
気になるあたぴさんの余命については、具体的な病状を把握している主治医の先生に聞いていただくのがよいと思います。もしかしたら、主治医の先生には聞きにくい感じですか? もしそうなら、話しやすい看護師さんに聞いていただくとか、メモなどで先生へ質問するのもよいかもしれません。
ただ、あたぴさん、その結果がどうであれ、主治医にもあたぴさんの余命がどれくらいなのか、本当はわからないと思います。きっと誰にもわからないんじゃないでしょうか。出てくるのは統計として出ているデータの数値上のものではないでしょうか? それも何年も前のデータとか・・・?
それを参考にするのは悪くはないと思います。
でも、余命3か月と聞かされたがん患者さんが3年生きたとか、末期だと言われていたがん患者さんが5年生きたとかよく聞く話です。最近の乳がん治療はかなり進んでいるので、そんなことも不思議ではなくなってきています。
今、一番大切なのは、余命がどれくらいであっても、あたぴさんが、今しっかり乳がんを治すことに専念することだと思います。余命を怖がって悩んでいても、軌跡は起こりませんし、怖さは消えることはないと思います。
その時間を、体にやさしい毎日の献立を考えるとか、体調がいいときはヨガやストレッチをして体を動かしてみるとか、お天気のいい日は散歩をしてみるとか、自分の心と体にいいことをする時間にしてみませんか? 趣味があれば、趣味を楽しむのもいいでしょう。
乳がん患者であっても、生きている今を楽しむことを消して忘れないでくださいね。
不安なときは、いつでもご連絡ください。
今日、東京はいいお天気です。
あたぴさんの町はいかがですか?